7/23/2017

ビスケ、下半身完全麻痺に逆戻り。7月23日


5月19日に医療過誤、24日に再手術、6月6日の退院直後から再び下半身完全麻痺して9日に再々入院、そして一ヶ月後の7月7日にやっと自力で、前肢を使って立ち上がり、その後の補助輪を使ったリハビリで7月11日には左足先に痛覚が戻り、15日には何度も何度も自分の意思で器用に立ち上がり、よろけながらもウロウロすることができていた。しかし4日前の19日には左脚が麻痺状態に戻っていて、立ち上がることはできても姿勢を変えようとすると簡単に倒れてしまっていた。


そして、今日、右足も含めて腰から下は三度目の完全麻痺。医療過誤直後の状態に逆戻り、動き始めていた左脚と元々動いていなかった右脚の両方が完全に麻痺している。4日前には反応していた肉球の痛覚も全く無くなっている。後肢が木偶の坊状態で突っ張っているから前肢を使っても立ち上がることはできない。膝行りで移動することすら困難になっていた。上半身の筋肉がかなり落ちているので、2Kgも痩せたにも関わらず自分の体重を持ち上げることができなくなっているのだ。

ビスケの眼差しは茫然自失。「なぜ動けないんだ・・・?」と言っている。7週前、そして10週前に完全麻痺した時の哀しげな眼差しに戻っている。


この2ヶ月間、自力で動くことのなかった右脚の大腿筋は左脚のそれの半分ほどにやせ細っている。院長が「リハビリとともに自分で脚を動かすようになっていた」とムキになって主張しても、ビスケの右脚の筋肉の喪失が、そうではなかったことを証明している。

毛艶は全身で完全消失している。数日前から大便が柔らかくなったのを薬で抑えているという。左目は赤く充血している。口内の歯肉は白っぽい、止まっていた目ヤニが間断なく出ている。同じく止まっていた耳垂れも出始めている。抗生剤投与を中止した途端に現れた症状だ。明らかに免疫力が低下してきていることを意味している。腸内環境が悪化しているのだ。

今日はいつもと違ってビスケに面会する前に院長に呼び止められた。そして「少し調子が悪くなってきている」と言われた。「私はすでに19日の時点でビスケの調子は15日よりも悪くなっているように見える、と言ったが取り合ってもらえなかった。今日は連れて帰って自宅でリハビリをするつもりで来たのだ」と返したが、院長は「全員で一所懸命に真剣にやっている。まだ諦めてはいない」と主張する。

双方の考えていることのギャップが埋まらないまま時間を無駄にし、やっとビスケの顔を見て、尻もちをついたままのビスケの姿に愕然とした。「少し調子が悪くなっている」どころの話ではない。完全に下半身は麻痺状態に逆戻りしていたのだ。怒りの感情を抑えるのに苦労した。

面会を喜び、身体をすり寄せて来て顎を膝に預ける動きが今日は全くできない、ひょっとすると痛みがあるのかもしれない。不安そうにこちらを見上げるだけのビスケを見ながら、たとえ完全介護による不自由な生活を強いられても、下半身麻痺の身体のまま自宅へ帰ることがビスケの幸せなのか、それとも体調管理に万全を期するよう医者に託して、僅かでもあると言うなら回復の可能性に賭けてリハビリを続けさせることが幸せなのか・・・、不自由な身体で暮らすストレスは容易に想像できるし、長期にわたる入院生活でのストレスもまた間違いなく大きい。思案のしどころだ。

ヒトでもワンコでも、脊髄損傷で完全麻痺した下半身を、諦めないで、根気よくリハビリ治療を続けることで、執念で、奇跡的に運動機能を回復させた例もあるということは理解している。しかし愛情と念力だけで快復させられると言えるほどに楽観的になっているわけでもない。ビスケに「まだ諦めるなよ」と言い聞かせてまた今日も一人で帰宅。

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