7/09/2017

ビスケ、変わらず・・・。6月24日。

6月24日、今日もビスケに面会するために病院へ行った。昼休み時間にかかったたので待合室「客」はいなかった。僕の顔を見ると神妙な顔をする院長も院内には見当たらなかった。バックヤードには看護師が2〜3名居るのみ、入院用ケージは、ビスケを除いて他は全て空っぽだった。

ビスケは小さなステンレスボックスの中からいざりながら這い出てこようとした。しかし後肢が自由に動くことはなく思いは叶えられない。抱っこしてケージの外へ出すと間も無くうんちを漏らした。体重は9Kgを切っていると言う。筋肉がどんどん落ちているのだ。胸骨周りと股関節周りはガリガリに痩せてそれぞれの骨が浮き出ている。体力の低下が心配になる。

陽が暮れて診療室内にヒト気がなくなるとビスケが悲痛な鳴き声を上げる、と若い女性看護師が言った。生まれてこのかた10年有余、ヒトとの添い寝以外では安眠できなかったビスケが、あの、小さなステンレスボックスの中で夜の闇の中、おそらく九時間以上の時間をひとりで過ごしている日々を思うといたたまれない。

女性看護師は、ビスケは少しづつよくなっていると言うが、気休めだ。下半身はブラブラだもの。後肢を動かして立ち上がることは不可能だ。4月30日の最初の手術を施した日以前よりも悪い状況にあることに変わりはない。医療過誤後の再手術からすでに1ヶ月経過している。

リハビリ用の車椅子を作っていると言う。ビスケの体躯に合わせて修正をしているのだと。その車椅子が来たら歩きながらリハビリさせると言う。限りなく信じていないが、限りなく信じるしかない。

幸いにしてビスケの食欲は衰えている様子はない。持参したビスケットも美味しそうにペロリと食べてくれた。目視するかぎりでは便の具合は悪くはなさそうだ。看護師の話によれば尿の排出は正常化しつつあると言う。同じく持参した歯磨き用の馬のアキレス腱の干物も今日は喜んでガシガシ噛んでくれた。

兎にも角にも歩けるようになってほしい。
何が何でも歩けるように、医療過誤以前の状態に、完璧に戻してほしい。

戻せ!

そう念じてまた、心の中で泣きながらビスケを病院へ置いて帰って来た。



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