9/01/2017

ビスケ、久しぶりの自宅で落ち着くも、不自由・・・。8月6日。


8月6日、ビスケにとって久しぶりの自宅。何もかも以前と同じであることを嗅覚と視覚で確認しながら、ホッと一息ついて安心していることがよくわかる。ビスケの表情は一気に良くなった。

最初の手術(4月30日)以前と違っている点は、だだっ広い田舎家の中を自分の脚で自由に動き回ることができないこと。段差の大きい和室部分へ移動するには人の手助けがなければ不可能になったこと。この後肢麻痺状態が続くようなら、就寝時にヒトのベッドに登ってきて、寒くなれば猫のように布団の中へ潜り込んで熟睡する、などという贅沢は、望むべくもない。

退院初日、リビングルームに緩衝マットと夏布団を敷き、ここにビスケを寝かせた。僕はその横でソファ寝。とりあえず寒い季節が来るまではこの状態で暮らそう。そして深夜、午前2時過ぎ、なんとなく異常な雰囲気で目覚めた。終夜灯の下、ビスケが居ないことに気づいた。かすかに香ばしい匂いが漂ってくる。事態を察知してリビングルームからバスルームへつながる方向へ急いだ。ビスケは廊下の終夜灯の下で尻もちをつき、呆然とこちらを見上げていた。廊下へ設置した60cmX40cmの仮設トイレの中ににわずかながら排尿した後があるものの、その遥か手前におシッコの海が・・・、そしてその先数カ所に大きめのウンコが散乱しており、いくつかは自分のお尻で押しつぶした跡がある。あたり一帯にはおシッコとウンコだらけ・・・。

状況から推測するに、便意を催して目覚めたビスケは後肢を引きずりながら仮設トイレに向かった。しかしおシッコが間に合わなくて、途中で床上に大量にに排出してしまった。それでも尿の海の中に倒れこまなかった証拠におシッコ溜まりは石の床の上で綺麗に表面張力したままで乱れていない。その先へ進んだところで、制御できなかった肛門からウンコが出たのだろう。その場所で踏ん張ろうとしても、後肢で下半身を支えることはできず、ウンコの上にお尻を落としてしまった。それでも頑張って仮設トイレまで、前肢だけで体を動かし、到達して、残りのおしっこを出し切った。しかしそこからリビングルームへ帰り着くにはウンコの山とおシッコの海を横切らなければならない。今のビスケには不可能だから、困り果てて控えめに声を出したのだろう。

ビスケの身体を綺麗にし、床の後始末をしている間、ビスケは無言で、申し訳なさそうな眼差しをこちらへ向けたままだった。

後肢以外の神経回路についてもちゃんと働いていいないのだ。 排尿そのものはできているが、尿を出すタイミングは自分の意思でコントロールできないようだ。明らかに自分の感覚と実際に排尿されるタイミングには大きなズレがある。排便に関しても自分の意思の通りにはコントロールできていない。便意を催してからその然るべき場所へ移動しようとするのだが、その前にすでに便は肛門から出始めている、ビスケ自身は排便が終わったと思った時点では、まだ便が出続けている。直腸や膀胱と脳との間での信号のやり取りは途切れ途切れであることが見て取れる。

ビスケは自身が望まぬ場所で排尿、排便をしてしまい、汚した場所を見つめて明らかに困った顔をする。黙って片付けをするこちらを見つめたまま身じろぎもしない。ワンコだって「垂れ流し」はしたくない、恥ずかしいと思っているのだ。





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