久しぶりに限界集落へ舞い戻ってみた。
8月7日の早朝、野猿の大群が我が家を襲った。
竹竿に吊るし保存してあった貰い物の大量の新タマネギの全てを彼らは両手にぶら下げて盗んでいった。背中におんぶした乳飲み子も数等混じる、30〜40頭の群れは悠然と立ち去った。ベレッタのスラグ銃にブリネッキを詰め終わった頃には前方の山の中へ逃げられた。
雨の中、地区の有害獣駆除隊仲間とともに8日、9日と逃げたサルの群れを追ったが一頭も捕獲できなかった。被害報告が毎朝入ってきたが今回はサルたちに完敗だった。
気を取り直した2日後、11日月曜日。久しぶりに厚い雲が切れた早朝、庭に異変を感じた・・・。
庭の全体をまんべんなく掘り起こしていた。
球根は食べられてもいいが、地雷が爆発した痕のような大きな穴は後始末が重労働。
強靭な鼻先で勢いよく土を掘り起こし、砂利敷きの上に飛ばし、散らかしている。
西側庭の高さ50cm、幅約10mほどの石積み垣は全て崩されて土に埋もれていた。彼らの鼻先の力は強力だ。
茗荷の根元もザクザク。
土蔵の裏まであらゆる場所を掘り起こしている。
悲しい。もうかんべんしてくれ・・・。
こんなことが起きると完全にやる気を失う。マイナス志向。イノシシにもサルにもカンペキにバカにされている。ま、タチの悪い人間に騙されたときほどにはハラは立たぬが。
庭全体、あまりにも被害が大きくて、ただちに復旧作業にとりかかる気にもならない。
サルにとられたタマネギは青空市へ行けば買って補えるが、
イノシシに掘り起こされた庭は自力で復旧するしかない。うんざりだ。
ド田舎はキレイな空気と美しい自然ばかりじゃない。うんざりすることのほうが多い。
不健康な生活だとわかっているのに都会暮らしを捨てたくないと思っている多くのニッポン人の選択は正しいのかも。カシコイね、みんな。
恵まれた東京生活と引き換えに手にした「人生の楽園」には相当な額の金銭投資が必要だったが、楽園を楽園として維持するには、金銭の額以上に「易きに走らないガマンの精神力」が要るようだ。
未来は神のみぞ知る。