あれから1年と数ヶ月、いろいろ考えて狩猟解禁日前夜に山へ戻った。
欲にかられて人の信頼を裏切ることをためらわないヤツらに嫌な思いをさせられた2013年はほとんど山を離れて暮らした。猟友会の有害鳥獣駆除活動に限っては、山へ戻り参加した。
これからは目的を絞って狩猟活動を続けることにする。
煩わしい人たちとの関わりは最小限にとどめ、一点定住生活にはこだわらないで生きて行こう。
新しい猟期は解禁初日早朝の鳥獣供養塔での慰霊祭で始まった。
しかし、行ってビックリ、見てビックリ。驚いたことにその場には昨年追放したはずの、公金着服、業務上横領疑惑の猟師の面汚しともいうべき輩が、罪を償わず謝罪もないまま臆面もなく図々しく姿を現していた。不正行為の共犯と思しき男が下心あって連れてきたようだ。悪い奴らは決して反省しないものだ。このような人間たちは生涯同じような罪を繰り返し、積み重ねながら生きていく。浜の真砂は尽きるとも・・・・だ。
ま、ド田舎でも東京のど真ん中でも人間の醜い性はみな同じだ。拝金主義という放射能に汚染されて魂を悪魔に売り飛ばしてしまった守銭奴と、見ざる言わざる聞かざるの事なかれ主義臆病モノと、この2種族がこの世の大部分を埋め尽くしている。
しかし自分だけは逃げないで戦うぞ、と鳥獣慰霊塔に誓いの手を合わせた朝だった。
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解禁初日の獲物は80Kgほどの若いオスだった。大きなオスのクセに牙が異常に小さい。
新たにライフル銃(銃砲筒内に線条溝のあるもの)を追加したいところだが、日本の厳しい銃規制では銃所持歴10年未満の者には所持許可が下りない。
そこで、日本だけの特殊な例外規定で存在するハーフライフル銃(銃砲筒内の線状溝を半分削り落としたもの)を入手した。 Beretta ES100-12GA。三連装自動銃。ライフルスコープは故障が少なく高性能、高品質なわりにはカールツァイスほどに高価格ではないというLEUPOLD VX-R 2-7 33mmを装着した。
人気の高性能サボット弾 Hornady SSTを使用し50m、100mで照準調整してから200mターゲットを撃ってみた。膝上固定撃ちで半径30cm以内に集弾することが確認できた。目に見えての弾道降下は無い様子。銃と実包の相性は良いようだ。自分の猟場では200m以上の距離を狙う猟は少ないので、これで充分すぎるほどの性能だ。
地形が入り組んでいて見通しの悪い山中での近距離、接近猟には現有のBeretta A301-12GA+SlugBarrel+EOTecXP3を使えば良い。スラグ弾はRottweil.BRENNEKEだ。
ここ吉備高原でもイノシシの数は着実に増え続けている。山中のドングリが豊作の年であっても民家近辺での目撃頻度、農家の被害実態、道路への出没痕跡などが年々増加の一途だ。またニホンジカの生息数も増え続けており生息域がどんどん広がっているようだ。鹿はイノシシとは違う食性なので被害が多岐にわたって拡大している。
野生動物は個体数が増加すると縄張りを持てない弱い個体が強い個体に追われて他所へ移動する。それらが生息域を広げ、人の住む里へも出てくるのだ。おまけに日本ではイノシシ、鹿、猿の天敵になる狼などの肉食獣が山中にいないので生まれた仔はほとんど生き残り、成長し、どんどん個体数は増える一方。一方猟師の数は急激に減っていて、それに伴い実戦経験豊富な猟犬も増えるどころか減少しているから銃猟によるイノシシなどの捕獲数は減少の一途。全国の市町村がやみくもに補助金出しまくっている罠や檻の効果はどうなのかといえば、チョコチョコっと仕掛ければ簡単に獲物が掛かってくれるというほど生易しいものではなく、個体数調整、被害防止にあまり効果は上がってないようだ。
銃猟を始めてから5年。年間を通してイノシシやサルを追う生活を続けてみてつくづく感じたことがある。
相変わらず無意味なところに補助金をばら撒くだけの有害鳥獣農業被害対策。捕獲だけではなく追い払い効果も高い銃猟活動に対しては何の配慮も無く、凶器的側面のみを強調した理不尽な銃規制(比較でいうなら食品添加物や化石燃料内燃機関使用車両や核燃料発電装置の方がはるかに凶器度は高いと思うが)は年々厳しくなる。御用学者や御用ジャーナリズム、御用評論家、ヒステリックな各種団体を巧妙に利用した、利権のからくりだらけの環境、野生動物保護政策などの問題も多い。現実を直視していない施策、学説、規制、運動の多くのものはほとんど的外れだ。
この国の国民はいつのころからか自分で考えて、工夫をして、積極自発的に行動をするということをしなくなっている。座して死を待っている。山河は荒れていくばかりだ。山河が荒れればやがて便利で快適だと安心している都市部にもしっぺ返しが来るんだけどね・・・。
しかし、考えてみれば、そんな愚行の挙げ句の果てに日本全国の山野に野生動物が溢れかえっているであろう数十年後の日本の状況を想像するに、それはそれでいいことなのかもしれないなとも思う。大自然の方が強いさ。
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明治政府が科学的根拠も生態学的裏付けもないまま、政治的な思惑もあって全国で狼狩りを奨励したから、あっという間に日本列島から狼が姿を消したのだという。食物連鎖の頂点にいたオオカミがいなくなったことで生態系のバランスは崩れた。もともと個体数の一部を天敵に捕食されることを前提にしているのでイノシシ、猿、鹿の繁殖力は旺盛なのだが、天敵がいなくなったのでその生息数増加に歯止めがかからないのだという。生態系バランスの崩壊は実は都市型文明の存続にも関わる問題にも関係しているのだという。最近の北米や欧州では農家、畜産家などと折り合いをつけながら山に狼を戻して生態系バランスの回復を試みているらしい。地球上のあらゆる狼はDNA的にほぼ同一種なので欧州やシベリアの狼を日本へ放しても大きな問題はないということだ。日の本の国ではなんの根拠もなくヒステリックに狼復活に反対する学者、評論家、マスコミ、行政ばかりだそうだ。
3 件のコメント:
はじめまして。住む場所としての吉備中央町を調べているうちに、こちらへとたどり着きました。投稿内容や姿勢に共感するところがあり興味深く拝見しております。都市と違う田舎の物理的条件やコミュニティをどのように評価されるのか、勝手ながら注目しております。
ご注目ありがとうございます。
若い頃から性善説で他人と接してきた自分にとっては、問題の根っこは都市部も田舎も同じなのではないかと思う今日この頃です。人口の少ない土地に住んでいると、見たくも知りたくもない事柄とか人々が自分の視界に入り易いし、自分への関与の確率が高まるので嫌な思いをすることが多くなるという点に気をつけなければ、と思います。
通勤ラッシュのぎゅうぎゅう詰めの電車の中のように自分の身体にくっついている人をさえも意識の中に入れないようにする、と云うのと同じような生活をすれば田舎は住み易いところです。
でも、満員電車の中で近くに痴漢や暴漢がいたら、やはり無視できず、たとえ先を急いでいてもとっ捕まえて警察へ突き出してしまう私です。
ご返信ありがとうございます。
「都市部も田舎も根っこは同じ」にはまったく共感します。日本の問題であろうと思います。
震災をきっかけに東京を離れ、短期間の海外生活を経て、ふるさと(岡山県下)に戻り一年あまりになりますが、内向きなコミュニティに日々考えさせられます。
吉備中央町は外部からの移住者も多いと聞きます。開発された中心部と従来からの部落の間には大きな溝があるという話も聞きました。
今後もブログを楽しみにしております。
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