2/20/2015

イノシシ猟:欲が無くなってからよく当たる。

2年間の休猟の後に思い直して再開したイノシシ猟。
一発必中でよく当たる。全て肩より前だ。

久々の猟であっても獲物を待つ気持ちに昂ぶりは無い。
全速力で突進してくる獲物もいるし、ゴソゴソと前方の気配を伺いながら用心深く来る獲物もいるが、いずれも射程内に入ったところで素早く銃床を肩につければスコープの中に獲物が入っている。正面なら眉間、横なら肩口から耳の後ろのあたりまでの範囲内へサボット弾が命中すれば、大物といえどもたちまちひっくり返る。突っ走ってきたやつならもんどりうって前方へ1〜2回転する。一発必中と信じて二の矢のためのトリガーを絞らない。仰向けになって暴れているうちに生き〆すれば血がキレイに抜ける。

以前と何が違うのかといえば、猟はもちろん生活全般に欲というものが希薄になってきた。欲が無くなると何をやっても脈拍は乱れない。寒中だが時には待ち場で居眠りさえする。気配が薄くなるので耳と鼻のいい獲物に気づかれることもない。

本日は勢子1+射手3の最小人員だったが、引き寄せられるように欲のない男の待つ走りへ逃げてきたこのイノシシは不運だったね。
獲物は推定2歳の牡。まだ牝を追っていないので丸々と太り、2月の後半にもかかわらず脂が多い。重量は内臓含んで約70Kg。落ち葉の下で醗酵した食べ頃のどんぐりの実をたっぷり食べているやつだ。赤身は色鮮やかで柔らかく脂は純白だ。
見るからに美味そうな肉だったので解体後にそぎ落とし肉と肋骨を焼いて食い、しゃぶる。肉質は柔らかくジューシー。旨みを強く感じる。
さらに肩肉を少し切り落として炭火焼ステーキにしてみた。ミディアムレア。極上の味。ブランド豚は数々あるがこの美味さにかなうヤツはいない。個人的にはイベリコ豚よりも好み。
何を見ても欲は出ないが、それでも何か一つぐらいは欲があるだろうと言われれば、このうまい肉をまた食いたいという欲だけ。

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