11/12/2017

ビスケ、補助輪外して吊り下げリハビリ開始。11月11日。

5月19日、レントゲン撮影時の不注意な医療過誤により下半身完全麻痺。
5月24日、再手術。
      脊髄損傷の状態が深刻で麻痺は改善されなかった。
      その後治療のために長期入院したが事態は変わらず。
8月5日、 病院院長が「回復させる見通しが立たない」と言ったので、退院。

以後、自宅室内で前肢のみを使ってのイザリ移動を自由にさせて、上半身の筋力回復に努めた。一方、排泄のコントロールはビスケ自身の意のままにならぬ状態が続く。屋内でトイレ箱まで行こうとするのだが、行き着くまでに大も小も漏れてしまい、介助無しでは床と自分の身体を汚してしまう。

その後も毎朝夕、補助輪の使用と散歩後のストレッチで、後肢の感覚を回復させるリハビリ続行。しかし排泄のタイミングの調節はできないままで、「出している」ことはわかっているようだが「出し切った」感覚がつかめていないから排泄途中で歩き出し、特に排尿時には足元が著しく汚れる。

9月末、後肢の感覚が少し戻ってきて、「酔っ払いの千鳥足」のごとき歩様で室内をうろちょろするようになった。最初の手術時に、脊椎の湾曲を矯正しないまま石膏で固められて、酷い傴僂状態になっているので、進む方向を変えたり、振り向いたりするとカンタンにコケる。排泄コントロールは相変わらずできていないので屋内では常に床面を注意していなければならない。

10月下旬、フラつきながらも歩く時間が増え、腰砕けになってペタンと腰を落とす回数が減ってきた。後肢の筋肉が徐々に戻ってきている。しかし神経の麻痺は以前と変わりなく、僅かに残された神経回路を使って脳と後肢が信号をやり取りしているのを、回復した筋肉が頑張って支えているといった感じだ。排泄コントロールは相変わらずできていないので、出したウンチの上に尻を落としてしまうことが多い。

11月に入って、(室内で)大好きなゴルフボール遊びを要求するようになった。元気な頃のように、繰り返し投げられたゴルフボールを飽きもせず回収してきてはまた投げさせる。ボールを追いかける姿は依然として千鳥足ではあるが、ほとんど転倒することはなくなった。補助輪使用時の歩行もスムーズになった。



11月11日、散歩時に補助輪を使わず、クロス型の胴輪(ハーネス)を流用して後肢を吊り上げるハーネスとして歩かせてみた。



それほど強く吊り上げていなくても、なんとか左右の後肢を交互に繰り出して前進しようとしている。しかし後肢の筋力は回復していても、脊椎の湾曲と僅かな神経伝達量のために、微妙なバランスをコントロールすることは難しいようで、排尿、排便のための姿勢を維持することは極めて困難。

以前のビスケの、力強さ、俊敏さは見る影もないが、まあしかし、下半身完全麻痺状態から、よくぞここまで頑張ってくれたものだ。ただひたすらビスケ自身の「歩こう、動こう」という意思の力のなせる技だ。この三ヶ月間、ビスケの前向きな姿勢には胸を打たれた。

再手術後の二ヶ月間、「見た目ばかり立派、口先だけ患者さんファーストの病院」の小さな箱の中に閉じ込められていたことが、損傷した神経の回復を絶望的にした、ということでなければいいのだが・・・。

大小の排泄がうまくコントロールできないということについては、ビスケ自身も不甲斐ないと思っている様子なので、神経伝達回路が今の状態よりもさらに改善されることを祈ってリハビリに励むのみ。

0 件のコメント: