あの事件以来、猟からも猟仲間からも少し遠ざかっていたが、信頼できそうな猟師たち6人に強く誘われて山へ入った。
全員手分けして朝早くから入念に「カタ」を切り、小ぶりの山を囲んだ。
本日の道具は昨秋新調したベレッタのハーフライフルES100+Leupold/2-7/33mm。荒れた水田に降りる山肌の「本走り」を10メートルほどよじ登った「待ち」へ着き、同時に水田を挟んで反対側100メートルほどの距離の急斜面をも受け持つことになった。
本日の道具は昨秋新調したベレッタのハーフライフルES100+Leupold/2-7/33mm。荒れた水田に降りる山肌の「本走り」を10メートルほどよじ登った「待ち」へ着き、同時に水田を挟んで反対側100メートルほどの距離の急斜面をも受け持つことになった。
入念に「カタ切り」をしていたので犬は放たれて15分もしないうちに「床鳴き」を始め、すぐにシシを「起こした」ようだった。まもなく北西方向、寝床の近くの「待ち」方向から3発の連射音が聞こえてきたが「外れた!大きいぞ!」との無線連絡あり。獲物は西へ逃げた。そのまま行くと国道429号を渡られてしまう。撃ち手が5人では山が大きくなる。勢子の軽トラが林道を西へ先回りして走る。イノシシは目も耳もいいのでこういう場合はたいていこれに気づいて引き返してくる。大きなイノシシならば逆転してくれば犬たちはいったん道を空けてから追跡再開だ。
獲物はしばらく山の中を上へ下へと犬をかわしながら逃げた。小さな山なので犬が背後に迫ればやがてヤツはどこかの「走り」へ飛び出してきて次の山へ逃げざるを得ない。予想通り、水田を挟んで100メートル前方の雑木林の急斜面の雪を蹴散らしながら獲物が駆け降りてくるのを目視できた。2倍倍率のスコープ視野内に捉えたが的が小さすぎる。5〜7倍では振れて撃てない。荒れ田のブッシュの中をこちらへ向かって来ることを予測しているので焦らず待つ。
獲物はしばらく山の中を上へ下へと犬をかわしながら逃げた。小さな山なので犬が背後に迫ればやがてヤツはどこかの「走り」へ飛び出してきて次の山へ逃げざるを得ない。予想通り、水田を挟んで100メートル前方の雑木林の急斜面の雪を蹴散らしながら獲物が駆け降りてくるのを目視できた。2倍倍率のスコープ視野内に捉えたが的が小さすぎる。5〜7倍では振れて撃てない。荒れ田のブッシュの中をこちらへ向かって来ることを予測しているので焦らず待つ。
ところが斜面を下りきったところでヤツは突然「走り」を外れて右直角に、東の方向のブッシュへ飛び込んだ。その20メートルほど上には一人「待ち」が入っている。即座に銃声一発。次が続かない。しかし「外した!」とも「転んだ!」とも言わない。ブッシュの中で一瞬見失ったようだ。そのまま東へ逃げてくれればやがて姿はこちらから見えると読んで、こちらの「待ち」から山の斜面を東方向へシシと並行に動いた。その数秒後、雪で濡れた落ち葉を蹴る音で小生の直近右斜面へ獲物が突進して来ていた。すでにその距離は10メートル程度。どうやら獲物はブッシュの中で左へ90度、北へ方向転換していたのだ。結局のこところ昨夜自らが入ってきた「走り」へ戻ってきたのだ。
気付くのが遅かった。もう外したら言い訳ができない距離まで獲物は来ていた。大きな塊が斜面をジャンプしながら登ってくる。こういう時は一瞬の、一発勝負だ。がしかし、一か八か「腰だめ」で撃つと大抵の場合は急所を外す。大物の急所を外せばよほどの出血がない限り山中深く逃げられてしまうから回収できなくなる。山肌に不自然に立った姿勢のまま、目の前をすっ飛んで行く獲物の身体が真横に見えるタイミングに合わせて銃尻を肩付けした。ヤツがスコープ視野に入った。すかさず耳の下を狙って流し撃った。20cmほど後ろにずれて右肩を砕いた。獲物はたまらず一回転もんどり打った。暴れるシシに後肢で思いっきり股間を蹴られながら跨り、「生き締め」で仕留めた。
気付くのが遅かった。もう外したら言い訳ができない距離まで獲物は来ていた。大きな塊が斜面をジャンプしながら登ってくる。こういう時は一瞬の、一発勝負だ。がしかし、一か八か「腰だめ」で撃つと大抵の場合は急所を外す。大物の急所を外せばよほどの出血がない限り山中深く逃げられてしまうから回収できなくなる。山肌に不自然に立った姿勢のまま、目の前をすっ飛んで行く獲物の身体が真横に見えるタイミングに合わせて銃尻を肩付けした。ヤツがスコープ視野に入った。すかさず耳の下を狙って流し撃った。20cmほど後ろにずれて右肩を砕いた。獲物はたまらず一回転もんどり打った。暴れるシシに後肢で思いっきり股間を蹴られながら跨り、「生き締め」で仕留めた。
50メートル以上の距離の獲物を確実に仕留めようと導入したライフルスコープだが、接近戦ではやはり邪魔になる。不安的中だ。それでもまあ仕留めることができたから良かったようなものの、外していたら「宝のもちぐされだな」などと仲間にからかわれるところだった。冷や汗。
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