2/23/2011

完全看護


まるで人間の老化映像を「早送り」に見ているようだ。ファンキーの老いは急激に進行し、もはや完全看護が必要な状態に陥った。

昨年11月末頃はなんとか自分の四肢で立ち上がることは可能であったが、今やその4肢で自らの躯を支えることはできない。体格に合わせたはずの介護スーツもブカブカになるほど痩せ細った。筋肉と呼べるものはすでに首周りにしか残っていない。朝夕、人間に吊り下げられたまま大小の用を足す。かろうじて股間の括約筋はまだ自分の意思の力でコントロールできているようだ。

朝夕の散歩(ではなく単なる用足しだが)の後の足洗いも横たわったままだ。後肢の皮の下は大腿骨だけだ。

ベッドに戻ると次の用足し時刻まで寝たきり。食事はこの姿勢で頭を起こし、人間に支えられた食器から摂る。
ただ寝ているだけだ。視界からヒトが消えると弱々しく鳴き続ける。泣きつかれると眠る。眠りから覚めて視界に人が居なければまた泣き続ける。
ファンキーの年齢は14歳と10ヶ月。ラブラドールレトリーバーの平均寿命をすでに2〜3年上回っている。若い頃に交通事故に遭って危篤状態になるという経験をしながら、これまで病気らしい病気もせず健康に過ごしてきただけに急激に動けなくなっていくファンキーを見ていると老いは自然の摂理であることを改めて強く実感する。

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